この4月末で、開院して丸3年が経ちます!

2019/03/22
発達クリニックぱすてるが開院してから、もうすぐ3年が過ぎ去り、4年目に入ろうとしています。
 
この時点でホームページをリニューアルしました。クリニックの基本スタンスは変わっておりません。
変わった点は、支援の充実が進んだのでは、という点です。

充実と考える中身は以下です。
 
①親支援としての、親子コミュニケーション支援(ペアレントレーニング含む)が年間3回通年で開催されるようになったこと。
 
②こころ支援として言葉でのやり取りを通してゲストに寄り添おうとすることが少しづつ進んだこと、
 
③精神科ショートケアとして、3時間滞在型の「ぐっどらいふ」と銘打った、社会・学校不適応の小中高大学生・社会人への支援事業を開始したこと、の3つです。


特に③は、開始してみて気が付いたのですが、
医療として本事業を行っているところは下越では当クリニックのみのようです。これも驚きです。
 
支援内容が純粋(?)医療としてはなじまない側面があるとしても、
医療がそばに添いつつのショートケアによる不登校・引きこもり対応は意味があると、
この1年の活動の中で、あらためて感じ入ることが出来ました。
 
想定内の事ではありましたが、
利用者の方々のショートケアでの姿と、外来での姿の違いは大きく、
医療者が外来診療で接する姿は、その方の一部であり、
誤解しやすい立場に医療者がいることを認識させてもらってもいます。
 
そして、集えし利用者とスタッフとの共有時間は、
他人との気持ちの共有が上手ではない方々にとって、
そしてスタッフ側にとっても、貴重な経験・時間と想像します。
 
人への思いや愛着の改善は何歳になっても成立すると思いたいし、
そうであるとの確信を感じる・・・
そして人への安心感、寄り添いの成立の中で、
その方の人生の豊さの花が開く可能性を感じる・・・のです。

 
 
現在のアウトリーチ活動は、残念ながらまだまだ小規模です。


支援のかなめ=「脳システム論」を普及したい側として、努力をします!

1) 自閉症ADHD愛着障害スペクトラムの理解と支援の為の勉強会を開催しております。
 
ほんの少しでしょうが、役に立っていると思いたいところです。
参加者数が多くない中で、力不足を認識しています。
それを少しでもカバーするための、他の手段として書籍による考え方の普及活動を行っているわけです。
またこれまでの勉強会のDVD 化と貸し出し、
テーマ別DVD の作成・普及、動画システムを利用しての普及を今後企画し、
ゆっくり進めていこうと考えています。
もう少し待って頂ければ幸いです。

2)「脳システム論」と銘打った、経験に基づいた見方を使って、
お子さんの状況評価・分析と支援をおこなうとの考え方を普及したい、
批判を受けつつより良い内容にしたいと思っております。

その方の問題を、「鳥の目」のように全体を俯瞰することが先ずは必要・大事。
そして俯瞰する視点は6点であること。
この間の経験から作り上げてきた、私が提唱する「脳システム論」による個別支援計画作りを、集団保育・教育の場で是非進めて欲しいと考えています。

さて、「脳システム論」と呼んでいるのは、
人間の脳活動を6点の脳機能システムでまとめ、どこが不調であるかを考え、
不調に対しての支援・治療を考える=個別支援計画つくりをする、
という実践的な方法です。
当人の脳内システム状況並びに当人を含む周囲の人間関係を問題にする=全体を俯瞰する=鳥が空から下界を見下ろすイメージなので、
「鳥の目作戦」と呼ぶことにしました。

6点とは、
 
①心の理論機能(人の気持ちを読む)、
②抗ADHD機能(これがあればADHD は出ない)、
③感情コントロール機能(論理と感情のどちらを優先しているか)、
④不安感知機能、
⑤愛着形成機能(安心形成機能ですが、心の理論が不調だと育ちにくいのが愛着ではあります)、
⑥学習機能(①②を基礎として言葉、社会的ルール、ソーシャルスキル、アカデミックスキル=学業などを学びます)、
そして7点目としては、①から⑥のバランスとりを含めた統合機能(⑦)
 
でしょう。
 
脳はバイオコンピュータであり、主に6つのプログラムソフト群を抱えていると考えるわけです。
それぞれのプログラム不調の存在の組み合わせで、
自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、愛着障がいスペクトラム、などなどの表現になると、捉え直すわけです。
そして、それぞれの不調項目に対して支援の手立てを考えるのです。
経験と学習の中で、このように考えるようになって久しいです。

このような考え方で、脳システム論の研修(総論の講義、その後事例検討・個別支援計画作り)を、年4回行っています。
発達と療育支援研究所「ぐぐーん」の活動としてです。
残念ながら、このような見方は教育界ではまだまだマイナーな考え方のようで、
今後の普及を希望します。現在書籍作成中です。ご期待ください。